医療用ウィッグは公的医療保険の対象外です。原材料費や研究開発費が不透明なまま高額になりやすい構造もあり、負担軽減のための自治体の動きが広がりつつあります。

「医療用」と名がつくのに保険が適用されないことへの不満は、以前から根強くあります。業界の規模自体が小さいため注目度も低く、統一されたJIS規格の整備もまだ道半ばです。品質のばらつきに歯止めをかけたいという議論はあるものの、利用者が本来望んでいる保険診療化までは、いまのところ実現していません。そうした行政の動きの鈍さにしびれを切らす形で、先に動き出したのが地方自治体です。

自治体による助成金制度の例

自治体助成内容
山形県米沢市購入費の一部を助成。助成額は2万円または購入経費の1/2のいずれか低い方
鳥取県購入経費の1/2を補助(上限2万円)
秋田県社会参加支援を目的とした助成制度あり

助成額は1万円〜3万円程度とそれほど大きくはありませんが、実施している自治体は限られているからこそ、対象になる場合は活用しない手はありません。お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。

購入前にできる3つのアプローチ

闘病生活に入ってから休職や離職を余儀なくされ、貯金を切り崩しながら医療用ウィッグの費用を工面する人は少なくありません。購入を決める前に、次の3つの視点からアプローチしてみることをおすすめします。

  • 通販に目を向ける:店舗販売と同等の品質でも3分の1〜2分の1程度の価格で見つかることが多い
  • 助成金制度を調べる:金額は小さくても、対象になるなら活用する価値がある
  • 専業メーカーかどうかを確認する:ファッション用と医療用を兼業しているメーカーより、医療用に特化したメーカーのほうが機能面で安心できることが多い
  • 「ブランドだから」で選んで後悔したケースも

    ファッション用と医療用の両方を扱う兼業メーカーの多くは、もともとファッション用ウィッグを主力としてきた会社です。見た目のデザイン性には強くても、通気性やズレにくさといった医療用ならではの機能面が後回しになっている製品も見られます。「見た目が良くて、有名なブランドだったから」という理由だけで選んだ結果、リハビリや日常生活で必要な機能性が物足りなかったという声も聞かれます。ブランドの知名度よりも、医療用ウィッグを専門に手がけてきたメーカーかどうかを確認する視点を持っておくと安心です。

    通販という選択肢も組み合わせる

    助成金だけに頼らず、通販の医療用ウィッグにも目を向けることで負担はさらに軽くなります。店舗販売で30万円相当とされる品質のものが、通販では3分の1〜2分の1程度の価格で手に入る可能性があります。休職や退職で収入が不安定になりやすい時期だからこそ、助成金制度と通販の価格メリットを組み合わせて検討することをおすすめします。